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フレクトが行くAWS re:Invent 2019 (12/2)

f:id:Wok:20191203190754j:plainみなさんこんにちは。技術開発室の岡田です。

現在、ラスベガスではAWS re:invent2019が開催されていますね! 今回のre:inventには、弊社から西中、上田、尾野、岡田の4名のエンジニアが、昨日よりラスベガス入りをして参加しております。

前回までの私の投稿は機械学習に関連する記事ばかりでしたが、 今回は私もre:Invent 2019に参加していますのでこの様子をご報告しようかと思います。 本投稿では、本格的にセッションが開始される12/2の様子をご報告します。 なお、上田もAWS re:invent2019に関するブログを投稿予定ですので、そちらも併せてご覧いただけますとありがたいです。

さて、少し振り返ると、昨日の夜にはMidnight Madnessというパーティがあり、その中で新製品が発表されるという驚きの展開がありました。 はたして、Keynoteがある本日はどうだったでしょうか。参加報告として、大まかに時系列に沿って報告をしたいと思います。

セッション開始の日は朝食が出ない

いきなり技術的な話じゃなくてごめんなさい。ですが、今回はこの調子で進めます。 出発前、前回の参加者やWeb上の話によるとイベント開催中の朝食と昼食はイベント会場内で準備されるとのことでした。 このため、朝食の準備は特に考えず会場に向かったのですが、食事を食べる場所は特に案内されておりませんでした。 どうも今回はセッション開始の日は朝食が出ないようです。そして、食事が出る場合は公式のページにしっかりと記載されていますね。 完全に情報収集不足でした。12/2はランチは出ますが朝食は出ないようです。 f:id:Wok:20191203171159p:plain

https://reinvent.awsevents.com/schedule

ということで、会場の一つであるベネチアンホテルの中にあったショップで軽食を購入して凌ぐことにしました。 後述しますが、このre:inventというイベントの恐ろしいところは、その会場の大きさです。 戦いきるためには適切にエネルギーの補充がかなり重要となりますので、ここで食事が取れてよかったです。

写真は、順番待ちしていた私を元気よく呼んでくれている店員さんの図。 f:id:Wok:20191203190754j:plain

会場間の移動は40分、会場内の移動はプラス20分

前提知識として知っておいていただきたいのが、re:inventのイベント開催エリアの大きさです。全体像はこちらのURLで示されています。 https://reinvent.awsevents.com/around/campus_overview/

googleマップで距離を測ってみると端から端までで3Kmくらいあります。人間の歩行速度は大体時速4Kmといわれていますので、40分くらいの行程です。 実際参加者3人がそれぞれ歩いて時間を計ってみましたが、やはり全員40分くらいかかっていましたのでそのくらいだと思っておけばいいと思います。 そして、各会場はホテルなのですが、中にカジノが併設されているホテルでとにかくでかい。単純に地図上の大きさだけでもでかいとわかると思いますが、 そのうえ建物内の壁やフロアの概念があるから実際の移動距離はもっと多くなります。とにかく移動が大変。 MGMというホテルでは、入り口から一番遠いと思われる会場まで歩いて20分ほどかかりました。 (実際にその会場でのセッションに参加しました。)

Finding a needle in a haystack: Use AI to transform content management

一つ目のセッションとしてこちらに参加しました。 本セッションでは、非構造化データをSagemakerの機能を用いて構造化できる情報として変換し、それを他の処理に利用することで業務効率を向上させる、という話がなされました。 彼らが提案する参照実装はこちらです。 f:id:Wok:20191203190927j:plain S3に入れた非構造化データをlambdaを経由してAmazon Textract、Amazon Transcribe、Amazon Translateで標準化し、Amazon Comprehendで分析して、検索エンジンに利用したり、グラフDBにして関連性を定義したり、その他機械学習に用いたりするという形になっています。

そして、これの実際の例として、資本家向けに会社の安全度を分析する会社がやっているメール分析処理を取り上げて、その内容と効果が説明されました。 f:id:Wok:20191203190202p:plain S3上のメールのContent部分をAmazon SageMakerを用いてノイズ除去を行い、Attachments部分からテキストを抽出する。その結果をAmazon Comprehendで処理することで必要な情報を抽出しています。 このような処理を行うことにより、従来行っていたメール分析の時間を60%短縮できたそうです。

私も機械学習を主に担当しているため、AIにより作成された100%確実とは言い切れない情報をどのように活用していくのかは興味がある内容でしたのでとても参考になるセッションでした。

セッション開始の日でも昼食は出る。

昼食はしっかりと準備されていました。大きな会場でビュッフェ形式で食べるか、バッグに詰められた昼食セットをもらって任意の場所で食べるかを選べました。 私は、温かいご飯がべたかったのでビュッフェ形式で食べました。豆のスープがとてもおいしかったです。デザートもあって満足満足。 f:id:Wok:20191203191309j:plain f:id:Wok:20191203192228j:plain

腹ごなしに40分歩く

昼食をとったのがベネチアンホテルで、次のセッション会場がMGMだったため、イベント開催エリアの端と端になります。 シャトルバスも出てはいるのですが、ちょうど時間も空いていましたので、歩いてみることにしました。 予想通り40分かかりましたが、途中にはM&M'sのお店があったり、 Hersheyのお店があったりで、甘いもの好きにはなかなか目を楽しませてもらえる通りになっています。 昼間に大通り(Stripと呼ばれるらしい)を歩いている限りは特に危険な感じもなかったです。(自己責任でお願いします。)

Get started with AWS DeepRacer

二つ目は、DeepRacerのワークショップに参加しました。 前回のre:inventなど、他のイベントでもこのワークショップは開催されてきていますが、今回新たにGrageという機能が追加されました。 Grageでは主に次のことができるようになります。

一つ目のセンサーの種類ですが、従来一つのカメラがついていましたが、二つのカメラを搭載し、ステレオカメラとして使って深度を図ることができるようになります。また、より高精度に深度を計測できるようにLIDARをアドオンすることができます。LIDARは可視光で距離などを図る技術だったかと思います。(全然専門じゃないので違ってたらごめんなさい。一応Wikiを載せておく。LIDAR - Wikipedia) 二つ目のニューラルネットワークの構成は、従来DeepRacerで使われているCNN*1のレイヤ数を変えるというもの。増やせば精度向上が期待できるが、トレーニング、推論の時間が延びてしまうというデメリットがある。

今回のワークショップでは、上記のGrageの設定や他の設定については、トレーニング時間が短くなるものを選択してモデルを作成してみるというものでした。ベースラインのモデルとして簡単に作れることがわかるようになります。ここまでできれば、先ほどのパラメータをチューニングしてさらなる高みを目指すことができそうです。今回使われたリソースは下記のgithubに上がっていますので興味のある方はのぞいてみると良いかと思います。なお、トレーニングにはAWSのアカウントが必要で、使用したリソースに対する料金も発生するのでその点はご留意ください。

github.com

The Quadに参加

今回のre:inventでは、ExpoとThe Quadの二つの展示会場があります。 今回はDeepRacerのワークショップ会場に近いほうのThe Quadを見てきました。 Smart家電の専用ブースができていたり、RoboMakerのブースがあったり、情報技術をハードウェアと連動させる技術が多くみられたように見える。 f:id:Wok:20191203193630j:plainf:id:Wok:20191203193550j:plain f:id:Wok:20191203193729j:plain

ちょうどこのタイミングでWelcome Receptionが行われていたので、料理とお酒が提供されていました。わたしはマカロンなどを頂きました。おいしい。

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ML in retail: Solutions that add intelligence to your business

三つ目のセッションにMachine Lerningをretail業界に導入する勧めのセッションを聞いてきました。 大きく次の2点をデモを交えながら説明していました。

  • 需給未来予測によるプロセスの効率化(プロセス改善)
  • パーソナライゼーション、推薦システムによるユーザ体験の向上 f:id:Wok:20191203195755j:plain

この内容自体は理にかなっているとは思いますが、ずいぶん前から言われてきたことで、あまり目新しいことはないなという印象を受けてしまいました。 上記を実現するためのGUI&AIのデモを見せてもらえたのが目新しいところかもしれませんが、一つ目のセッションのように具体的な事例をあげての説明よりはだいぶ説得力に欠けていたかな。

シャトルバスは渋滞にはまるリスクがある

キーノートを聴講するために、昼食をとった場所ベネチアンホテルに戻ります。さすがに40分歩く体力がなかったのでシャトルバスに乗りました。 しかし、シャトルバスが通る道は結構渋滞するらしくかなり時間がかかってしまいました。多分歩いたのと同じくらい時間がかかっていると思います。 結局キーノート開始のギリギリ25分前についてぎりぎり間に合いましたが、かなりはらはらしました。 f:id:Wok:20191203193947j:plain 渋滞のリスクを考えて、余裕を持ってシャトルバスを利用したほうがよいですね。

Monday night live

キーノートとliveが組み合わさったセッションです。 開始時間はキーノートの時間であり、その前からライブは開始されていたようです。 25分前にベネチアンホテルに到着したのち、会場までやはり10分くらいかかったので、15分前にようやく会場入りすることができました。 大きなホールが会場になっており、巨大な壁面ディスプレイ5~6枚が連なっているステージになります。 ライブ自体はその端のほうでやっており、聴講者は会場に到着した順番に逆の端から席に座るシステムだったので、最後のほうに到着した結果バンドの真ん前が席になりました。 とってもかっこいいバンドだったのですごいラッキーでした。(名前知りたい。後で調べよう。) f:id:Wok:20191203194008j:plain

さて、キーノートの内容ですが、今回は Re:Invent Super Computerという名でHPC向けのクラウド環境を提供する発表がなされました。聞いている感触だとHPCを実現するためのインフラの提供という感じです。いくつか課題というか要件というかがある中でそれぞれの施策を提供できるようにAWSが準備しているという説明。例えば、非効率なTCPをEFAに変えることでスループットを向上させることができる。システムをチップに最適化することでスケーラビリティを確保できるようになっている。特定のVM/コンテナにハードウェアを占有させ不要なオーバヘッドをなくすなど。これらをまとめ上げれば、Re:Invent Super ComputerとしてHPCのタスクに十分な性能を持つVM・コンテナが生成できるということではないかと理解した。 f:id:Wok:20191203195940j:plain f:id:Wok:20191203200010j:plain f:id:Wok:20191203200042j:plain

また、環境保護プロジェクトを進めていて、パリ協定を10年前倒しする後押しをするという話もあった。 f:id:Wok:20191203201850j:plain f:id:Wok:20191203201921j:plain

一見すると、高性能なコンピューティングと環境にやさしいコンピューティングは、トレードオフの関係にも見えて、両立は難しそうだなぁと思いましたが、 AWSは、もちろん計算効率を上げて電力消費を削減する方法も考えているとは思いますが、今回大々的に発表したのはそれではなく、環境にやさしい発電方法で環境を守るという大きな視点からの取り組みのことでした。電力消費がーとかいっても、そもそもクリーンに電力を供給できてればいくらでも使っていいじゃないか、ということ(言い過ぎ)。やはりGAFAはスケールが違うなぁ。

以上が、12/2の報告内容です。

次回は、また機械学習の記事に戻るか、もしかしたらもう一回re:inventの内容を報告するかします。 ではまたよろしくお願いします。 (やばい、やばい、早く寝ないと明日のキーノートに寝坊する。ということで、誤字脱字、変な文章ご容赦を。)

*1:こちらは専門ですが、以前のブログで書いているのでここでは説明しません。そちらを見てください。[http://cloud.flect.co.jp/entry/2019/07/08/134938