フレクトのクラウドblog re:newal

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Salesforce Data Cloud の Amazon SageMaker モデルの呼び出し機能を検証する

こんにちは。エンジニアの山下です。

今回は Salesforce Data Cloud と Amazon SageMaker の連携機能について書きたいと思います。

やること

今回は Data Cloud と SageMaker の連携機能を検証するわけですが、実はこの検証に SageMaker は使用しません。本記事のタイトルにも SageMaker のモデルを呼び出すとは一言も書いていなかったりします。

要するにこういうことです。今回は SageMaker のエンドポイントを装ったダミーのサービスを立ち上げて Data Cloud に接続します。そしてダミーのサービスから適当な結果を返して Data Cloud がちゃんとそれを処理してくれることを確認します。つまり SageMaker のエンドポイントをスタブ化するということですね。

このような検証方法を取るのにはそれなりの理由があるのですが、その理由については後ほど説明したいと思います。

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組合せ最適化問題の解法に強化学習を応用する

こんにちは. 研究開発室の牧野*1です. Operations Research (OR)のビジネス活用について研究を行なっています. 本稿ではORの文脈で現れる組合せ最適化問題 (Combinatorial Optimization, CO)の解法として強化学習(Reinforcement Learning, RL)を応用する研究分野(Neural Combinatorial Optimization, NCO)について紹介します. また, この分野の研究をまとめたライブラリであるRL4COを使用して簡単なデモを行います. 本稿の構成は次の通りです.

*1:2022年度新卒入社. 学生時代は理論物理, 特に物性理論と呼ばれる分野で研究をしていました.

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Einstein Discovery で行ったマッチング処理の結果を Einstein Next Best Action のレコメンデーションとして表示する

こんにちは。エンジニアの山下です。

前回の記事 で Einstein Discovery と Einstein Next Best Action の連携方法の一例として、Einstein Discovery の推論結果を元に Einstein Next Best Action のレコメンデーションの出し分けを行う方法を紹介しました。

今回はもう少し進んだ例として、Einstein Discovery で行ったマッチング処理の結果を Einstein Next Best Action のレコメンデーションとして表示する方法について書こうと思います。

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認証プロバイダ Keycloak の手元テストでコストパフォーマンス最強となった AWS Graviton3

みなさんこんにちは。エンジニアの佐藤です。今回はAWS製プロセッサGraviton3の強さを再確認した、というお話です。

難しい!今時のEC2インスタンス選び

AWS EC2にはさまざまな種類のインスタンスがあります。本稿執筆時点(2024年4月初旬)では、最新世代のCompute Optimizedタイプのインスタンスとして以下の3種類が利用可能です。

種類 プロセッサ 一般利用開始 アーキテクチャ
C7g AWS Graviton3 2022-03 arm64
C7i Intel 4th gen Xeon 2023-09 x86_64
C7a AMD 4th gen EPYC 2023-10 x86_64

AWSは自社開発のGravitonプロセッサの利用を勧めています。他の2つに対して価格が低めに設定されており、電力効率も高いと宣伝されています。Amazonプライムデーなどの自社企画では、これらを活用して優れた電力効率を実現したことが発表されています。一方、Intelは業界一番の老舗であり、一昔前まではクラウド向けプロセッサをほぼ独占供給していました。しかし近年はAMD社製プロセッサの性能向上が著しく、シェアを伸ばしています。

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Agents for Amazon Bedrock の手触り

こんにちは。エンジニアの山下です。

昨今の LLM の隆盛は目を見張るものがあり、フレクトでも LLM を使った開発に必要な技術や知識の準備を進めています。その一環として Agents for Amazon Bedrock を使って模擬的に LLM アプリケーションを実装・調整してみたのですが、今回はそこで得た知見について書こうと思います。

本投稿では主に Agents for Amazon Bedrock を使ってみて得た所見について書きますが、前提を共有するため、最初に Agents for Amazon Bedrock の概要とアーキテクチャについても簡単に述べます。既に知っているという方は読み飛ばしていただいて OK です。

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Passkey のフィッシング耐性

こんにちは。エンジニアの山下です。

パスワードレス技術として Passkey が注目を集めていますが、この Passkey はフィッシング耐性を持つと言われています。今回は Passkey のフィッシング耐性を支える仕組みについて調査した結果を書きたいと思います。

Passkey と FIDO

そもそも Passkey は FIDO Alliance という団体によって定められた概念です。FIDO Alliance の 公式ページ では Passkey を以下のように定義しています:

Any passwordless FIDO credential is a passkey.

FIDO Alliance は FIDO (FIDO2) というパスワードレス認証の技術標準を定めており、この FIDO で使用されるパスワード以外のクレデンシャルを全て Passkey と呼ぶ、と定義は述べています。

実のところ、フィッシング耐性を持つように設計されているのは FIDO であり、単なるクレデンシャルに過ぎない Passkey にはいかなる力もありません。従って、以降は FIDO ではフィッシング耐性をどのように実現しているのかが話の主題となります。

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